7月も終わりに近づき、8月が目の前ですね。
8月といえば、8月6日は広島に原子爆弾が投下された日、
9日には長崎に。
たくさんの尊い命が一瞬にして失われてしまった日でもあります。
昨年から今年にかけて、
被曝樹木を題材とした平和絵本「きっと きこえるよ」の挿絵を手がけさせていただきました。
被曝樹木とは、
言葉の通り、被曝した樹木のことです。
あの惨状の中生き残った樹木たちはまさに生き証人。
今現在も緑が生い茂り、実際見て触れることができます。
被曝樹木を子供達に伝えたい
読み聞かせをしたい。
そのための絵本を一から作ろうと、
ストーリーを考え、被曝樹木を見て回り、たくさんの勉強をされたお二人が、藤原美香さんと、村本美美香さん。
見ていて悲しくなる絵ではなく、
子供たちが手に取りやすい、希望を持てるような
樹木たちの力強さを美しく綺麗な絵に仕上げて欲しいとのご要望でした。
筆が止まったのは、
原子爆弾が投下され、街が黒焦げになってしまったページでした。
私が体験したことではないので、資料を元に、想像して描かなければならないページ。
なかなか前に進みませんでしたが、
樹木たちが力強くたくましく、緑をまとい、美しい花を咲かせていく姿を
最後まで描けたらという思いで、描かせていただきました。
絵本のページが終わると被曝樹木についてのページになります。
全て手作り!時間と足を使い、そして頭をフル回転。
イラストレーターもソフトを一から勉強されて習得されたとかで、頭があがりません。
素晴らしです。
今、戦争のない日本に暮らしている私は、
当たり前のように、朝起きて、おはようと挨拶をし、
ご飯を食べ、子供の笑顔を見て、1日を始めることができます。
いかに尊いことか、そして、この尊さをずっと守っていかなければいけないことか。
ちっぽけな自分一人では世界の情勢には影響しないかもしれません。
だけれど、こどもたちには
他人を思いやる気持ちだったり、日常に感謝する気持ちだったり
そういった小さいけれどとても大きくて大切なことを
学んでいって欲しいな。そして自分自身も大切にしていきたいなと思っています。
さて、真面目な話が長く長くなりましたが、
どうか、笑顔で暮らせる日がずっと続いていくよう、
願いをこめて。この本がたくさんの子供たちの目に耳に、心に届くよう。
祈っています。
藤原さんと村本さん、お二人お名前が同じ美香で「ダブルミカ」の愛称で
様々な場所で絵本を片手に読み聞かせの活動をされています。
広島にお住いの方はお二人にお会いできる機会がありますように。